公式の導き方
テキストと六法の使い方

公式は基礎知識と不可分一体ですので、知識を入れる際に一緒に公式を学習していくことになります。

ですので、「テキスト」と「六法(または条文判例本)」の使い方と同じような意味だと思ってください。


条文を読み解きながらテキストを読もう

テキストに書かれている説明は概説的なものを除き、何かの条文に関するものです。今読んでいる説明がどの条文の話なのかを意識しながらテキストを進めてください。

その際、条文の要件と効果に別々の色でマーク等をしていってください。

例)行政事件訴訟法第8条第1項
 処分の取消しの訴えは、当該処分につき法令の規定により審査請求をすることができる場合においても、直ちに提起することを妨げない。ただし、法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがあるときは、この限りでない

行政事件訴訟法第8条第1項は本文(第1文)で「処分の取消しの訴えは(審査請求ができる場合であっても)直ちに提起できる」。
但書(第2文)で「法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを提起することができない旨の定めがある場合は、直ちに処分の取消しの訴えは提起できず、先に審査請求をしなければならない」。

ここから、処分の取り消しの訴えは「法律に審査請求前置の定めがあるか」が直ちに処分の取消しの訴えを提起できるかどうかの判断基準となる、という公式が導けます。


テキストの文章はまとめ、判例の結論は具体例

公式は社会を律するルールを示す法律の本質です。

テキストはその補足やまとめを、判例の結論は公式を適用した事件ごとの具体例に過ぎません。

公式を先に意識すると、テキスト・判例は「ふむふむ」と納得しながら読むことができます。記憶が必要な分量もぐっと減り、頭にも入りやすくなっています。


条文+判例で公式ができあがる
要件・効果が公式の基本構造

法の世界では条文が原典です。そして条文の構造は前述の通り要件・効果が書かれています。

日本国憲法20条3項 国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

これを日本語的に読み解くと「国及びその機関」が「宗教的活動」をすると憲法違反(=無効)となる、という公式ができあがります。
そこで、(1)行為者が「国及びその機関」か、及び、(2)行為が「宗教的活動」にあたるかが違憲(無効)かどうかの基準となるのです。

※「要件」は全て満たす必要があります。


要件が不明確な場合は判例を見る

憲法20条3項の「宗教的活動」は要件ですが、何が宗教的活動なのかは今ひとつ不明確です。公立小学校でクリスマスツリーを飾ったら即憲法違反だというのもおかしな気がしますよね。

実際「何が宗教的活動か分かんないよ!」と裁判所に訴えた人が過去にいて、最高裁判所が「宗教的活動ってこれだよ」という判断基準(規範)を示しています。

判例はさらに続けて、今回の提訴事案では宗教的活動だからは制約は憲法違反だとか、宗教的活動に当たらないから憲法違反じゃないといった判決をしているのです。

条文の要件が不明確な場合の大多数で過去に誰かが裁判を起こし、裁判所がそれに応えて規範という形で言い換えてくれているのです。


判例のいう規範はどの要件の話かを見定めよう

規範は分かりにくい要件の言い換えなのですから、適用の可否が問題になっている条文の要件のどれかについて述べたものです。

例)最判昭和52年7月13日(津地鎮祭事件)
 憲法20条3項にいう宗教的活動とは、国及びその機関の活動で宗教とのかかわり合いをもつすべての行為を指すものではなく、当該行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為をいう。

宗教的活動かどうかは目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為であるかで判断する、という分かりやすく言い換えた判断基準が示されています。

もちろん、公式そのものを「国及びその機関が“目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になるような行為”にあたるかが違憲無効かどうかの判断基準となる」と捉えても結構です。



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